こんにちは。タムラゲン (@GenSan_Art) です。
今日は、防災の日です。そして、この日の由来となった関東大震災の発生から100年目になります。
1年半ぶりに我が家の防災対策を再点検してみました。
防災対策
地震対策グッズ
● 突っ張り棒 – 家具転倒防止棒・耐震バー 突っ張りタイプ|アイリスオーヤマ
● 感震ブレーカー – スイッチ断ボールⅢ(ブレーカー自動遮断装置)|株式会社エヌ・アイ・ピー
● S字フック
台所の食器棚の扉を固定しておけば、地震の際、お皿やカップなどが棚の外に飛び出すのを防げます。
防災グッズ
● 軍手
● サンダル
● 多機能防災ラジオ – Torreya
● 反射テープ付非常持出袋セット – アオヤギコーポレーション|商品情報詳細 (aoyagicorporation.co.jp)
● 保温アルミシート – アイリスオーヤマ
● ミニランタンライトセット – Digio2 水電池 NOPOPO ミニランタンライトセット | ナカバヤシ株式会社
● セロテープ
● 小型のメモ帳、ペン等の筆記用具
携帯電話が繋がらない場合、離れた場所にいる家族や知人へ伝言を残すのに役立つ可能性があります。
● 家族の写真
第三者に家族の行方を尋ねる際に役立ちます。
衛生用品
● 簡易トイレ
災害時には、食料だけでなくトイレの処理も大きな課題です。下記の凝固剤だけでも用意しておけば、衛生面で非常に役立つ筈です。
● RKRK 非常用トイレ 凝固剤 100回セット
● 生理用品
女性の場合、物資の欠乏だけでなく、周囲の無理解のため避難所などで生理用品を入手するのが困難なことが多いそうです。
● 消毒液
災害時の感染症を防ぐのは勿論ですが、現在では新型コロナウイルス(COVID-19)の危険性もあるため、下記の不織布マスクと併せて、より必要になりました。
● 不織布マスク
● 滅菌カットガーゼ – 医療用不織布ガーゼ | 白十字株式会社
● キズリバテープ – 共立薬品工業株式会社
● ケアリーヴ 防水タイプ – ニチバン
● テーピングテープ 非伸縮タイプ – ニチバン株式会社
● ウェットティッシュ – アズワン
● 持病の薬
非常食
● 飲料水
● スーパーマルチビタミン&ミネラル – ネイチャーメイド
● 野菜一日これ一本 長期保存用 – カゴメ株式会社
● アルファ米 白米 – 100g尾西の白飯|尾西食品株式会社
※水の代わりに上記の野菜ジュースを注げば一石二鳥です。
● 5年保存非常食 ブルボンの保存食缶3缶セット
● えいようかん – 井村屋株式会社
南海トラフ大地震の危険性がある中、東京電力の原発事故も新型コロナウイルスの脅威も未だに収束の見通しが立っていません。相変わらず未来は不透明ですが、妻と一緒に何とか生き抜いていこうと思います。
関東大震災から100年
先述のように、今年の9月1日は関東大震災の発生から100年目になります。
1923年 (大正12年) 9月1日午前11時58分に起きた関東大震災は、約190万人もの被災者の内、死者・行方不明者数が約10万5千人にも上った日本史上最大級の自然災害です。
現代にも通じる震災の教訓
関東大震災で思い出すのが、一色登希彦の漫画版『日本沈没』第6巻(原作・小松左京)で描かれた東京大地震です。
1923年のとき以上に高層ビルが密集する大都会になった現代の東京で関東大震災級の大地震が起きたら、どれほど大規模な被害をもたらすのかが生々しく描かれています。
又、関東大震災で多くの犠牲者を出した火災の中でも特に恐ろしいのが火災旋風です。漫画『日本沈没』でも、東京を大震災が襲った後、高層ビル間の風で巨大化した火災旋風が多数の避難者を飲み込んで焼き尽くしていく凄惨な場面がありました。
やがて起きる次の巨大地震に備える意味でも、漫画版『日本沈没』は、地震列島に生きる全日本人必読の書だと思います。
関東大震災が恐ろしいのは、家屋の倒壊や火災だけでなく、デマに惑わされた人達によって多くの朝鮮人が殺害されたことです。しかも、朝鮮人と間違われて日本人まで無惨に殺害された事件まで起きていました。
中でも酷かったのが、福田村事件です。
1923年9月6日、千葉県東葛飾郡福田村(現在の野田市)にて、香川県三豊郡の薬売り行商人15人の内、妊婦や子供を含む9人が朝鮮人だと決め付けられて地元の自警団によって惨殺されてしまいました。
映画監督の黒澤明も13歳のときに関東大震災に被災したときのことを、自伝『蝦蟇の油』に詳細に書いています。
その中にも、デマにかられた大人達によって朝鮮人が虐殺されたことに関する記述があります。
例えば、黒澤の父親が髭を生やしていただけで朝鮮人と思い込んだ棒を持った人達に取り囲まれたり、黒澤が井戸の外の塀に書いた落書を、朝鮮人が毒を入れた印だと大人達が決め付けたこと等、デマに惑わされた人間の恐ろしさと愚かさが記されています。
黒澤は、自伝にこう書いています。
「しかし、恐怖すべきは、恐怖にかられた人間の、常軌を逸した行動である。
下町の火事の火が消え、どの家にも手持ちの蝋燭がなくなり、夜が文字通りの闇の世界になると、その闇に脅えた人達は、恐ろしいデマゴーグの俘虜になり、まさに暗闇の鉄砲、向こう見ずな行動に出る。
経験の無い人には、人間にとって真の闇というものが、どれほど恐ろしいものか、想像もつくまいが、その恐怖は人間の正気を奪う。
どっちを見ても何も見えない頼りなさは、人間を心の底からうろたえさせるのだ。
文字通り、疑心暗鬼を生ずる状態にさせるのだ」
災害時に人間が如何に簡単に理性を失い、愚かな行動に走ってしまうのかを考えさせられます。
一式の漫画『日本沈没』でも、東京大震災の後、疑心暗鬼に陥った「普通の人達」の自警団が、罪も無い青年をリンチ殺害する惨たらしい場面がありました。
こうした関東大震災のときのデマに惑わされた大人達による朝鮮人や日本人の殺害事件は、単なる「過去の出来事」では済まされません。
自公政権の増長に便乗するかのように、特定の民族を口汚く罵倒する差別主義者達が野放しにされている現状は、目に余ります。現在の都知事である小池百合子は極右団体・日本会議の一員ですので、これまでの都知事が震災の日に出していた朝鮮人虐殺被害者に対する追悼文すら出していません。
そうした差別主義者達による沖縄に対する差別的言動も同様の酷さです。
閑話休題。
宮崎駿の『風立ちぬ』で特に印象的だったのは、やはり関東大震災の場面でした。ありきたりな恐怖を煽る音楽を一切使わず、不気味な効果音のみで描いていたのには感心しました。
ここでも、黒澤明が自伝『蝦蟇の油』に記した大震災の体験談との奇妙な類似点が興味深いです。
『風立ちぬ』では、東京に向かう機関車に乗っていた堀越二郎が突風で帽子を飛ばされた後に地震が起きていましたが、黒澤明も地震が起こる前の午前11時頃に突風があったと書いています。
更に、映画では、地面が波打ち、家の屋根瓦が滑り落ちる描写も印象的でしたが、黒澤も揺れる土蔵や家屋の屋根瓦が滑り落ちるのを目撃して印象に残ったことを記していました。
『風立ちぬ』の制作開始が東日本大震災の直前とは、何とも恐ろしい偶然ですが、かつての日本が関東大震災の後に辿った滅亡への道を今また繰り返しそうな現状が更に恐ろしいです。
東日本大震災では、大変な災害だったにも関わらず、多くの人達が理性的な行動を取っていました。ですが、今度は「放射能は安全」などのデマを垂れ流す御用学者や原発プロパガンダが跳梁跋扈する現状を見ると、歴史は繰り返されるのかと暗澹たる気持ちになってしまいます。
関東大震災の教訓を忘却しようとする日本が、過去の教訓から学び、差別の無い平和な社会を実現できる日は、いつになったら来るのでしょうか。
(敬称略)
関連記事
● 「関東大震災映像デジタルアーカイブ」(国立映画アーカイブ)
● 「関東大地震写真」(国立科学博物館地震資料室)
● 「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成20年3月1923 関東大震災【第2編】」(内閣府・防災情報のページ)
● 「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成21年3月 1923 関東大震災【第2編】」(内閣府・防災情報のページ)
● 「記憶を刻む 1923年関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺関連の資料と証言」
● 「「朝鮮人暴動説」を新聞記者を通じて意図的に流していた正力」(電網木村書店Web無料公開『読売新聞・歴史検証』)
● 「「朝鮮人虐殺はなかった」はなぜデタラメか | 関東大震災時の朝鮮人虐殺を否定するネット上の流言を検証する」
● 「関東大震災時の朝鮮人虐殺と地域における追悼・調査の活動と現状 田中正敬」(pdf)
● 「関東大震災 朝鮮人・中国人虐殺事件地図」(TQC/東京給水クルー)
● 「福田村事件」(特定非営利法人 香川人権研究所)
● 『流言蜚語』 清水幾太郎・著 (筑摩書房) 2011年
● 『福田村事件 : 関東大震災知られざる悲劇』 辻野弥生・著 (崙書房) 2013年
● 『関東大震災と中国人』 田原洋・著 (岩波書店) 2014年
● 『証言集 関東大震災の直後 朝鮮人と日本人』 西崎雅夫・編 (筑摩書房) 2018年
● 『TRICK-トリック「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』 加藤直樹・著 (ころから) 2019年
● 『<普及版>関東大震災朝鮮人虐殺の記録――東京地区別1100の証言』 西崎雅夫・編著 (現代書館) 2020年
● 『現代史資料 関東大震災と朝鮮人【普及版】』 姜徳相、琴秉洞・変(みすず書房)
「福田村事件」(四国新聞 2000年7月10日)
「関東大震災直後の亀戸事件とは?」(しんぶん赤旗 2007年9月1日)
「炎の旋風逃げ場失う 関東大震災90年、災禍の跡を訪ねる 教訓生かし防火を徹底」(日本経済新聞 2013年8月31日 06:00)
「デマと虐殺 語り続ける 関東大震災 あす90年 「生き証人」 97歳 長島花樹さん」(東京新聞 2013年8月31日)
「主張/関東大震災90年/災害に備え「人災」防ぐ政治を」(しんぶん赤旗 2013年9月1日)
「「朝鮮人虐殺の歴史 伝えたい」/関東大震災90年で追悼式典 東京・墨田/真実広め平和に尽力」(しんぶん赤旗 2013年9月2日)
「朝鮮人虐殺 大川署長の精神はいま 歴史の暗部を照らす存在」(カナロコ・神奈川新聞 2013年9月28日 00:19)
「関東大震災・朝鮮人虐殺は「正当防衛」ではない 工藤美代子著『関東大震災――「朝鮮人虐殺」の真実』への批判」(SYNODOS 2015年9月1日)
「2016とくほう・特報/関東大震災時の朝鮮人虐殺・亀戸事件/軍・警察、扇動された自警団が実行/戒厳令下での国家犯罪―「緊急事態条項」の危険示す」(しんぶん赤旗 2016年9月2日)
「小池都知事追悼文断る/関東大震災での朝鮮人虐殺」(しんぶん赤旗 2017年8月25日)
「小池都知事:朝鮮人虐殺慰霊式典への追悼文取りやめでコメント」(毎日新聞 2017年8月25日 18:09)
「【速報・無料記事】関東大震災での朝鮮人虐殺、殺害をなかったことにする小池百合子東京都知事定例会見」(「ノンフィクションの筆圧」安田浩一ウェブマガジン 2017年8月25日 19:18)
関東大震災の際に在日コリアンが至る所で民衆に殺傷された事、その原因たる朝鮮人暴動なる流言が全くのデマだった事は、当時の警視庁すら断言しています。https://t.co/bnybdHJyPz
その事実を否定するばかりか慰霊の実質的妨害すら許可する小池都知事の行為は言語道断です。 pic.twitter.com/n4P3ll6PJA— 1945年への道 (@wayto1945) August 26, 2017
「追悼文をやめて何を得るのか」(小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句 ~世間に転がる意味不明 2017年9月1日)
「関東大震災での朝鮮人虐殺 数千人が犠牲/歴史的事実を“隠ぺい”」(しんぶん赤旗 2017年9月2日)
「関東大震災の「朝鮮人虐殺はなかった」という人びと 「歴史修正主義」本を検証してみた(加藤直樹)」(アジアプレス・ネットワーク 2019年2月7日)
「朝鮮人虐殺:親の目の前に子供たちを並べて首を切った「本庄事件」」(読む・考える・書く 2018年10月3日)
「朝鮮人虐殺:褒美を求めた加害者、冗談と笑いが飛び交う法廷、町村ぐるみの減刑運動」(読む・考える・書く 2018年10月14日)
「百田尚樹氏『日本国紀』の「朝鮮人虐殺」記述の過ち(加藤直樹)」(アジアプレス・ネットワーク 2019年4月9日)
「朝鮮人虐殺忘れない/関東大震災96年 都内で追悼集会/追悼文出さぬ都知事批判」(しんぶん赤旗 2019年9月2日)
「関東大震災で長野県に「不逞鮮人」の話題がどう伝わり、どんな動きがあったか―当時の新聞記事で追う」(信州戦争資料センター・倉庫 2019年9月2日)
「ラムザイヤー教授の「朝鮮人虐殺」論文 7つの問題点 【1】歪められた「朝鮮人虐殺」の史実 先行研究無視や学術的な不備が指摘されるラムザイヤー論文」(論座 RONZA 2021年7月5日)
「関東大震災 朝鮮人虐殺 小池都知事は追悼文を」(しんぶん赤旗 2021年7月28日)
「朝鮮人虐殺被害者への追悼文を送らない小池都知事の詭弁は白人至上主義者の「オール・ライブズ・マター」と同じ」(読む・考える・書く 2021年9月7日)
「東京都⼈権部が飯山由貴のアート作品を検閲か。小池百合子都知事の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への態度も影響した可能性 」(TOKYO ART BEAT 2022年10月28日)
「朝鮮人虐殺 大川署長の精神はいま 歴史の暗部を照らす存在 朝鮮人虐殺」(神奈川新聞 2022年12月28日)
「流言認める公文書を政府保管~関東大震災直後の朝鮮人虐殺巡り 福島党首が参院法務委で追及し明らかに」(社民党 2023年6月22日)
「「自警団ごっこ、もう止めませう」美人画・竹久夢二が描いた「心の闇」 ヘイトや神宮外苑問題に通じる言葉」(東京新聞 2023年7月17日)
「竹久夢二が見て、描いた関東大震災 ルポ「東京災難画信」」(東京新聞 2023年8月28日)
「主張/大震災100年と虐殺/政府は事実隠さず調査・謝罪を」(しんぶん赤旗 2023年8月29日)
「100年前より安全になったとは言えない--首都圏に潜む、地震火災リスクを考える #災害に備える」(Yahoo! JAPAN ニュース 2023年8月30日)
「関東大震災の朝鮮人追悼式に合わせて「ヘイト集会」? 「殺された人を愚弄、嘲笑している」と批判高まる」(弁護士ドットコムニュース 2023年8月31日)
「2023年9月1日は関東大震災における朝鮮人・中国人虐殺から100年目。歴史修正主義の政府を正し、内なる差別意識を直視し、我々のような普通の市民が二度と同じ惨劇を繰り返さないようにしたい。」(Everyone says I love you! 2023年9月1日)
「《震災と流言 藤岡事件100年》(上)偏見、差別が不安を助長 朝鮮人17人が殺害される」(上毛新聞 2023年9月3日)
「デマ信じず朝鮮人守る。400人を保護した鶴見署長の胆力 関東大震災 世紀の教訓②」(くらしのなかに防災ニッポン 2023年10月3日)
「関東大震災での朝鮮人虐殺を否定しようとするデマを検証する①」(新!脱「愛国カルト」のススメ 2024年7月31日)
「関東大震災での朝鮮人虐殺を否定しようとするデマを検証する②:朝鮮人暴動などなかった」(新!脱「愛国カルト」のススメ 2024年8月1日)
コメント