『カプリコン・1』(午前十時の映画祭16)

こんにちは。タムラゲン (@gensan) です。

『カプリコン・1』 監督:ピーター・ハイアムズ 音楽:ジェリー・ゴールドスミス イラスト:タムラゲン CAPRICORN ONE (1978) Directed by Peter Hyams / Music by Jerry Goldsmith / illustration by Gen Tamura

イラスト:タムラゲン Illustration by Gen Tamura

7月10日(金)から「午前十時の映画祭16」のグループAの劇場で、映画『カプリコン・1』の上映が始まります。

『カプリコン・1』は、子供のときにレンタルビデオで初めて見て以来、テレビ放送やDVD、Blu-rayで何度も見てきた好きな映画です。ようやくスクリーンで観る機会が到来しましたので、楽しみです。

 

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『カプリコン・1』について

カプリコン・1
Capricorn One

製作国:アメリカ・イギリス
上映時間:123分 (アメリカ)/129分 (日本)
※「午前十時の映画祭16」上映版は、129分ですが、日本公開版とは異なります。(『カプリコン・1』上映分数につきまして | お知らせ|午前十時の映画祭)

アメリカ公開:1978年6月2日 (配給:ワーナー・ブラザース)
日本公開:1977年12月17日 (配給:東宝東和)

スタッフ
監督・脚本:ピーター・ハイアムズ

製作:ポール・N・ラザルス三世
撮影:ビル・バトラー
プロダクションデザイン:アルバート・ブレナー
編集:ジェームズ・ミッチェル
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

キャスト
ロバート・コールフィールド: エリオット・グールド
チャールズ・ブルーベーカー : ジェームズ・ブローリン
ブルーベーカー夫人 : ブレンダ・ヴァッカロ
ピーター・ウィリス : サム・ウォーターストン
ジョン・ウォーカー : O・J・シンプソン
ジェームズ・ケラウェイ博士 : ハル・ホルブルック
ジュディ・ドリンクウォーター: カレン・ブラック
アルバイン社長 : テリー・サバラス

予告篇

 

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今も色褪せない面白さ

『カプリコン・1』は、初の有人火星探査をスタジオ撮影などの特撮で捏造する国家ぐるみの陰謀という内容です。

ドナルド・トランプとイーロン・マスクという世界中に憎悪と混乱を撒き散らしている二人が共に火星への有人飛行と移住の計画をぶち上げているこの時期にこの映画が上映されるのは感慨深いものがあります。

そうした陰謀論的な深読みを抜きにしても、『カプリコン・1』は理屈抜きに面白いです。手に汗握るサスペンスに満ちた展開を堪能するためにも未見の方はできるだけ前情報抜きで観ることをお勧めします。

話は逸れますが、監督のピーター・ハイアムズがこの映画以降は凡作ばかり撮っていることや、宇宙飛行士の一人を演じたO・J・シンプソンの恐ろしい事件を考えると複雑な気持ちでもあります。

ですが、1994年に発生したシンプソンの事件は映画とは何の関係もありませんし、ハイアムズのキャリアが結果的に平凡であったとしても『カプリコン・1』の面白さは時代を超えて不変です。

映画監督の原田眞人は、『カプリコン・1』を「ズサンな構成」と貶していました。(『ハリウッド映画特急 L.A.EXPRESS』早川書房、1986年) ですが、私に言わせれば、原田の映画より『カプリコン・1』の方が遥かに巧みな構成で何百倍も良くできています。

そして、何と言っても、この映画の魅力を倍増させているのが、ジェリー・ゴールドスミスの音楽です。冒頭のタイトルからいきなり鳴り響く金管と打楽器の力強い響きに一気に引き込まれたのを今でも覚えています。ハイアムズとゴールドスミスが再び組んだ『アウトランド』も収録されたサントラCD (GNP/Crescendo) は何百回も聴いたものです。

大スクリーンで鑑賞することによって『カプリコン・1』のスリルとサスペンスは段違いの迫力となりますので、「午前十時の映画祭」での上映期間中にご覧になることをお勧めします。

『カプリコン・1』の上映日程は、次の通りです。

グループA 2026年7月10日(金) ~ 2026年7月23日(木) 
グループB 2026年7月24日(金) ~ 2026年8月6日(木)

上映館などの詳細は「午前十時の映画祭16」の公式サイトをご参照ください。

午前十時の映画祭16 デジタルで甦る永遠の名作
午前十時の映画祭16 デジタルで甦る永遠の名作

 

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結末についての余談(ネタバレあり)

ここから先は『カプリコン・1』の結末などネタバレを含む内容ですので、まだ映画をご覧になっていない方はご注意ください。

 

火星から帰還途中の無人ロケットが大気圏突入時の故障で破壊されてしまったことによって、砂漠の基地に軟禁されていた3人の宇宙飛行士は身の危険を察知してジェット機で脱走します。ですが、燃料切れで不時着してしまい、3人はそれぞれ別の方向へ徒歩で移動しますが、砂漠の過酷な逃避行の中、ウィリス(サム・ウォーターストン)とウォーカー(O・J・シンプソン)は当局のヘリによって捕らえられてしまいます。

ただ一人生き残ったブルーベイカー(ジェームズ・ブローリン)も、ヘリに追い詰められますが、陰謀の真相を追っていた新聞記者のコールフィールド(エリオット・グールド)がチャーターした複葉機によって救助されます。

死んだとされた宇宙飛行士の葬儀が厳かに執り行われている中、追跡を振り切ったブルーベイカーとコールフィールドが遺族や群衆の前に現れて映画は幕を閉じます。

さて、せっかくなので、『カプリコン・1』の結末の評価に関して個人的に書いておきたいことがあります。

私が『カプリコン・1』を初めて見たのは、まだ子供のときで、レンタルビデオの黎明期でした。それから数ヶ月後、テレビでも放送されました。

当時、私のクラスには、やたら洋画を貶す嫌味な同級生が一人いました。彼は『カプリコン・1』の終わり方が中途半端だのあれこれ難癖をつけて、私に執拗に嫌がらせをしてきました。

又、彼は司会者の浜村淳がラジオ番組でも『カプリコン・1』の終わり方を批判していたので、自分と同じ意見だったと豪語していました。ですが、映画のネタバレを平気で喋るような司会者と同意見だからといって何の自慢にもなりはしません。「笠に着る」典型です。

更に余談ですが、当時の軽佻浮薄なアイドル番組にうつつを抜かしていたその嫌味な同級生の一押しだった某アイドルが現在ではネトウヨになっていました。不快な人物が憧れる人物の本性も不快であることを見ると、「同じ穴の狢」だと改めて実感します。

話が脱線しましたが、『カプリコン・1』の結末に対する彼の愚論を要約しますと、生還したブルーベイカーたちが遺族やマスコミの前で真相を暴露して悪者たちが罰せられるところが描かれていない、ということでした。

私に言わせれば、そんな描写は陳腐です。

葬儀に現れたブルーベイカーに複数のテレビキャメラが向けられたことで真相が世界中に生中継されたのは間違いないですし、ケラウェイ博士 の狼狽して表情からも、彼が責任を問われるのは明白です。ですから、これ以上の説明は蛇足でしかありません。

これで説明不足などとぼやくのは、断崖絶壁に追い詰められた犯罪者が刑事の前で真相をペラペラ喋るようなテレビドラマの見すぎだと思います。恐らく、例の嫌味な同級生は、『現金に体を張れ』、『フレンジー』、『八月の狂詩曲』、『紅の豚』、『アルキメデスの大戦』などを見ても結末に難癖をつけそうな気がします。

結末で何でもかんでも説明するのを要求するなど、はっきり言って野暮です。

と、まぁ、長々と個人的な愚痴を書き連ねましたが、例の嫌味な小者がいくら貶したところで『カプリコン・1』の人気は微塵も揺るぎません。

公開から半世紀近くが経った今も多くの観客を夢中にさせる『カプリコン・1』は、「午前十時の映画祭」で待望の銀幕復帰を果たしました。映画祭のスタッフに感謝して、この快挙を大いに喜びたいです。

 

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