『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』鑑賞 ※ネタバレあり

5月31日(金)、妻と一緒に、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』 (Godzilla: King of the Monsters) の字幕版を鑑賞してきました。



伊福部先生の105回目の誕生日である日に、伊福部先生の曲が使用されるゴジラ映画が封切られる上に、ラドン、モスラ、キングギドラもハリウッド・デビューするので怪獣映画ファンとしては見逃せません!

 

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映画の感想(ネタバレあり!)

【注意】ここから先は、ネタバレあり。

結論から言いますと、少なくとも前作『GODZILLA ゴジラ』(2014) よりは遥かに面白かったです。5年前のアメブロの記事にも書いたように、人間ドラマなどメッセージ性は高望みしていませんでしたから、ボリュームたっぷりの怪獣バトルを堪能しました。

特撮に関しては、流石ハリウッドの大作映画だけあって今回も申し分ない出来栄えでした。

火山から登場するラドンは、溶岩を撒き散らし衝撃波で町を破壊しながら飛翔する雄姿に目を見張りました。それだけに、簡単にギドラの軍門に降った挙句、結末でゴジラに跪く様には苦笑を禁じ得ませんでした。東宝の映画ではゴジラと互角の実力があり、ゴジラと共に三度もギドラと戦ったというのに…。余談ですが、ベアー・マクレアリーが作曲したラドンの新テーマ曲を聴いたとき、何故かジェームズ・ホーナーが作曲した『スター・トレックⅢ ミスター・スポックを探せ!』(1984) のクリンゴンのテーマ曲を連想してしまいました。

モスラのデザインは日本版の方が好きですが、鱗粉を輝かせながら羽ばたくハリウッド版モスラも純粋に美しかったです。チャン・ツィイーが演じたチェン博士は双子なのですが、画面上で一緒に写らないので、不覚にも初見時には気付けませんでした。

そして、東宝版キングギドラは翼が小さすぎると常々思っていましたので、今回のギドラは巨大な翼を見れただけで大満足でした。ゴジラを苦戦させる強敵ぶりや、全世界を破壊しようとする悪役ぶりは歴代ギドラ最高の脅威を感じさせました。(久しぶりに誰の手下でもないギドラでしたが、環境テロリストの手によって冬眠から目覚めさせられる登場の仕方は、『ゴジラVSビオランテ』(1989) や『ゴジラ ファイナルウォーズ』(2004) のように人間の思惑に利用されたため、ギドラの自発的な悪役性を減退させたような気がします)

映画 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ ラドン モスラ キングギドラ Godzilla King of the Monsters


また、前作ほど画面が暗すぎることはなかったのですが、今回も夜の戦闘場面が多かったです。目まぐるしくアングルが移動するので状況を把握するのに少し時間がかかりましたが、大画面で見る怪獣の暴れっぷりは迫力満点でした。

日本の特撮映画に詳しい人ならすぐにお気付きになるでしょうが、東宝のゴジラ映画のみならず1990年代のガメラ映画へのオマージュもふんだんに盛り込まれていたことにも長年の特撮ファンとしては「ニヤリ」とすることが何度もありました。マイケル・ドハティ監督のゴジラに対する熱意と敬意が並々ならぬものであることを改めて実感しました。

 

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気になる点

初めに「メッセージ性は高望みしていません」と書きましたが、それでも個人的に引っかかる点が幾つかありました。

先ずは、オキシジェン・デストロイヤーの扱いです。第一作『ゴジラ』(1954) で、芹沢大助博士 (平田昭彦) が自らの命と引き換えに初代ゴジラを道連れにして永遠に秘密にした恐怖の破壊兵器を、唐突に登場させて米軍に簡単に使わせる展開には呆れました。宇宙怪獣であるギドラには効かず、ゴジラもダメージは受けたものの絶命には至りませんでしたし。

次に、海底の住処で眠りについたゴジラを強制的に目覚めさせるために安易に核兵器を使用するという展開が最も受け入れ難かったです。太平洋での水爆実験の目的がゴジラを退治するためだったという物語で米国の核実験をこっそり正当化した前作のように、今回もアメリカ映画の嫌な面が露呈した場面でした。芹沢猪四郎 (渡辺謙) が自らの命を犠牲にして核兵器をゴジラの目の前で爆発させるという展開も、第一作へのオマージュとしては誤った方向性のような気がしました。(もっとも、日本のゴジラ映画でも、私企業が原子力潜水艦の核兵器でゴジラを復活させようとした『ゴジラVSキングギドラ』(1991) のように許しがたい展開があったので、他国のことをあまり言いにくいのですが…)

ギドラとの最終決戦で核エネルギーが暴走したゴジラが真っ赤に燃える様は『ゴジラVSデストロイア』(1995) を彷彿させる圧巻の描写でした。ただ、バーニング・ゴジラがメルトダウンして壮絶な最期を迎えたのに、今回は派手な爆発を起こしたにも関わらず、無傷でいたのには拍子抜けしました。

怪獣映画ファンとして気になったのは、主役4体以外の怪獣の扱いです。17体もの怪獣が登場すると知ったときは『怪獣総進撃』を超える怪獣バトルロワイアルになるのではと期待しましたが、巨大なマンモスや蜘蛛などが出ただけというのは勿体無さすぎると思いました。蜘蛛の怪獣が出たときは、てっきりクモンガかと思いましたし。せめてカメオ出演でもいいので、アンギラスやバランやバラゴン達も出してほしかったです。

 

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最後に

色々と勝手なことを書きましたが、全体的に『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は非常に見応えのある映画でした。1998年の某イグアナ映画に憤り絶望してから21年。これほど日本の怪獣映画への熱い思いを盛り込んでくれたハリウッド版ゴジラ映画を見れる日が来るとは夢のようです。

エンディングのタイトルに、『ゴジラ対ヘドラ』(1971) の監督で、前作『GODZILLA ゴジラ』のエグゼクティブ・プロデューサーでもあった坂野義光監督と、第一作『ゴジラ』から『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(1972) までゴジラを演じ続けた中島春雄氏への追悼メッセージ(しかも、中島氏は写真付き)が出てきたときには、子供の頃から見続けてきた特撮映画の様々な記憶と思いが駆け抜けました。

そして、伊福部先生の「ゴジラのテーマ」と、古関裕而の「モスラの歌」がハリウッド映画で堂々と奏でられたことは快挙です。「それそれ」という掛け声には苦笑したものの、音楽を担当したベアー・マクレアリーによる編曲は原曲の雰囲気を見事に残していたと思います。これを機に、伊福部、古関の両氏の映画音楽のみならず、純音楽も脚光を浴びることを期待しています。

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【追記】吹替版鑑賞

6月28日(金)、妻と一緒に吹替版を鑑賞しました。

数日前に上映時間を確認したら、字幕版は1回のみで吹替版は2回に減っていて驚きました。そして、今日は吹替版が2回のみとなっていました。公開から4週間が経ち、夏の目玉映画が控えているとは言え、やや寂しい気もしました。

ともあれ、封切時より少し小さめのスクリーンでも、大迫力の映像と音響を再び堪能しました。映画そのものに対する感想は初見時と殆ど同じです。

妻は吹替派なので、2回目の鑑賞は吹替版にすると私も初見後に決めていました。吹替版の出来は意外と良く出来ていたと思います。ただ、やはりラッセル博士の声役の田中圭だけは事前の不安通り違和感が拭えませんでした。もっとも、50代のカイル・チャンドラーに対して30代の田中圭は声も高すぎるので、これは田中の責任ではなくキャスティングした人の人選ミスだと思います。

吹替版のエンドタイトルに日本の某バンドの歌が挿入されると知っていたので不安でしたが、幸い本編ではなく、本編の後の日本語版の声優とスタッフのタイトルのみに流れていたので安堵しました。(ですが、映画と無関係な歌などではなく、ゴジラ映画関連の曲を流した方が良かったのにと思いましたが…)

個人的には、吹替声優の中に佐々木勝彦がいて驚きました。しかも、前作でも同じステンツ司令官の声を演じていたことを5年経って漸く知りました。『ゴジラ対メガロ』(1973)、『メカゴジラの逆襲』(1975)、『ゴジラVSキングギドラ』などに出演していた俳優が思わぬ形でハリウッド版ゴジラ映画に関わっていたとは感慨深いです。(因みに、佐々木勝彦の父親は『七人の侍』(1954) や『隠し砦の三悪人』(1958) など黒澤明の映画に多数出演した名優・千秋実で、千秋も『ゴジラの逆襲』(1955) に出演していました。

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