伊福部昭 著 『音楽入門』 出版70周年

こんにちは。タムラゲン (@GenSan_Art) です。

70年前の今日は、伊福部昭の著書『音楽入門(1951) の初版が出版された日です。

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1951年に要書房から出版されて以来、『音楽入門』は、1985年には現代音楽振興会から、2003年には全音楽譜出版社から、改訂を重ねながら再販されてきた名著です。

 

伊福部先生は絵画にも造詣が深かったので、絵画と比較しながら音楽について語る部分が幾つかあります。

特に、最後の第11章「音楽における民族性」が非常に興味深いです。

日本の洋画家の作品が西欧の名画の明白な亜流であっても普通に展示され、たまに西欧の名画が日本で展示されても日本の作品とは別の会場となります。

これに対して、現役の日本人作曲家の場合、ベートーヴェンとストラヴィンスキーの間に自分の作品が挟まれた曲目で発表されるような「過酷な状態」が珍しくありません。

これを絵画に例えるなら、「作品がミケランジェロとマチスの中間に並べられるようなもの」です。これは厳しい!

伊福部先生は、こうも書いています。

「もし常にこのような状態に現代の日本の洋画家がおかれるとしたら、恐らく、作品の完成の度合と同時に民族的な審美感ということを必ず意識せざるを得なくなるのではないだろうかと思われるのです。(略)逆に同人的発表は、その意味の伝統の自覚を薄らがせるものです」

先生のこの指摘には、絵描きとして非常に考えさせられます。

西欧に対する日本人(アジア人)としての民族的な自覚や審美眼は、私も以前海外で過ごしていた時期に否応なしに意識せずにはいられませんでした。

西欧の「洋画」の亜流にならないと言っても、別に、日本画のように岩絵の具を使うとか、日本的な題材を描くというような短絡的な話ではありません。(そもそも、「日本画」は、明治時代に洋画に対抗して作られた近代の曖昧な概念です)

伊福部先生も、オーケストラの楽器の起源はアジアという理由で、見事な管絃楽法を駆使した名曲を数多く残しています。同様に、絵も、岩絵の具を使おうが油絵の具を使おうが、借り物ではない自分自身の審美感が肝心です。

明治政府による急激な西洋化と太平洋戦争の敗戦以降、日本は欧米の文化的を大量に受け入れてきました。それでも日本人の感性の奥底には日本的な何かがまだ残っているような気がします。(あくまでも私の主観ですが)

国粋主義には大反対ですが、海外の良い点は謙虚に学びつつ、自らの審美眼も鍛えていきたいと伊福部先生の曲を聴きながら思います。

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