仲代達矢 89歳の誕生日

こんにちは。タムラゲン (@GenSan_Art) です。

イラスト:タムラゲン Illustration by Gen Tamura

今日 (12月13日) は、仲代達矢の誕生日です。

言うまでもなく日本を代表する名優の一人で、89歳を迎えた今も現役です。

小林正樹、黒澤明、岡本喜八など多くの名監督の作品で鮮烈な存在感を見せた仲代達矢は、今も私が最も尊敬する俳優の一人です。

 

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仲代達矢 略歴

1932年、東京生まれ。本名は、仲代元久 (なかだいもとひさ)

父親が早逝したため生活は苦しく、第二次世界大戦中には空襲に幾度もあうなど苛烈な幼少期を過ごしました。

戦後、様々な職を経験した後、俳優を志して、1952年に俳優座付属養成所に4期生として入所します。1955年に養成所卒業後、俳優座に入団。千田是也に師事し、『ハムレット』『令嬢ジュリー』『どれい狩り』など多数の舞台に出演しました。

映画では、俳優座養成所時代に黒澤明の『七人の侍』にエキストラとして初出演します。1956年には月丘夢路の推薦で『火の鳥』で本格的な映画デビューを果たします。映画会社大手5社から専属俳優の誘いを受けますが、フリーランスの立場を貫き通し、当時の五社協定の束縛を受けることなく各社の映画に自由に出演しました。小林正樹によって『人間の條件』の主役に大抜擢され一躍注目されます。その後も小林の『切腹』などの名作の他に、黒澤明、成瀬巳喜男、岡本喜八、市川崑など名監督の作品に多数出演して海外でも高い評価を得ます。

テレビドラマでも『新・平家物語』や『大地の子』などの大作に多く出演しました。

1975年には、俳優を育成する私塾「無名塾」を、妻・宮崎恭子と共に設立。後進の俳優を多く輩出。塾員・塾生と共に全国を巡演し続けています。

 

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仲代達矢 主演映画十選(年代順)

現在までに仲代達矢が出演した映画全116本の内、私はまだ半分足らずの50本しか見れていません。ファンを自称しておきながら恥ずかしい限りですが、私が見れた範囲内で、仲代達矢の主演映画十選(年代順)を選んでみました。

『人間の條件』 六部作 (1959-1961)

五味川純平の反戦小説を小林正樹が映画化した超大作です。若き日の仲代は、従軍経験が無かったにも関わらず、戦争という非人間的な環境下でも良心を失わない梶を見事に演じきりました。高校生のとき、約10時間もの大長編をVHSで一気に見て打ちのめされました。

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『人間の條件 第三部・望郷篇 第四部・戦雲篇』公開60周年
1959年11月20日は、小林正樹の映画『人間の條件 第3部・望郷篇 第4部・戦雲篇』が公開された日です。五味川純平の同名小説を映画化した反戦映画の第二弾です。苛烈な軍隊生活に虐げられる新兵を仲代達矢や田中邦衛が好演しています。
『人間の條件 完結篇 第五部・死の脱出 第六部・曠野の彷徨』公開60周年
1961年1月28日は、小林正樹の映画『人間の條件 第五部・死の脱出 第六部・曠野の彷徨』(1961) が公開された日です。五味川純平の同名小説を映画化した三部作の壮大な完結篇です。

『野獣死すべし』(1959)

大藪春彦の同名ハードボイルド小説 (1958) を須川栄三が映画化した作品です。1980年に松田優作が主演した同名映画の方が有名になってしまいましたが、個人的には最初に映画化されたこちらの方が好きです。殺気に満ちた仲代の危険な魅力が全開!

『鍵』(1959)

谷崎潤一郎の同名小説 (1956) を市川崑が映画化。宮川一夫のカラー撮影が印象的。同じ市川崑の『炎上』(1958) にも通じる不遜なインターン役を、仲代は嬉々として演じています。中村雁治郎に劣らぬ変態ぶりが最高に可笑しいです。

『用心棒』(1961)

私が黒澤明と全盛期の日本映画にハマるきっかけになった思い出深い映画です。何度見ても面白い無敵の痛快時代劇です。三船の野性的な浪人と敵対するバタ臭い洒落たヤクザを仲代は好演してました。翌年の『椿三十郎』(1962)は、対照的に壮年の武士に扮して内に秘めた不気味な野心を醸し出していました。

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1961年4月25日は、黒澤明の映画『用心棒』が公開された日です。抜群の面白さと三船敏郎の魅力で、国内は勿論、クリント・イーストウッド主演の西部劇など、世界中に多大な影響を与えた痛快時代劇です。

『切腹』(1962)

小林正樹と仲代達矢コンビの最高傑作!滝口康彦の原作を巧みに脚色した橋本忍の脚本、宮島義勇の白黒シネスコ撮影、薩摩琵琶を取り入れた武満徹の音楽など、全てが第一級の名作です。高校時代にVHSで初めて見たとき、凄まじい傑作に出会えた衝撃で暫く動けなかったことを今でも覚えています。それにしても、撮影当時まだ29歳だった仲代は、孫のいる五十路の浪人を違和感なく演じてました。仲代の掘りの深いマスクとメイクに加えて、最も低いトーンの声で表現される語りが作品の重厚な雰囲気を支えていました。

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1962年9月16日は、映画『切腹』が公開された日です。小林正樹と仲代達矢の最高傑作であり、私がこれまで見た中で最高の一本でもある『切腹』について語ります。

『天国と地獄』(1963)

絶頂期の黒澤明が撮ったサスペンス映画の最高峰。三十郎シリーズの悪役から一転、三船敏郎が演じる靴会社の常務を助ける警部役です。後半で誘拐犯を執拗に追い詰める鬼気迫る演技が注目されがちですが、黒澤がヘンリー・フォンダのイメージを狙った前半の冷静で紳士的な雰囲気の方がプロフェッショナルの余裕を見せて魅力的だったと思います。『天国と地獄』がまだ日本国内ではビデオ化されていなかった頃、学生だった私は、真夏の暑い中、香川県から広島市映像文化ライブラリーまで一人で見に行きました。映画の面白さは勿論、スクリーンで三船と仲代の共演を見れて大興奮。食事抜きで二回の上映を続けて夢中で見ました。

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1963年3月1日は、黒澤明の映画『天国と地獄』が公開された日です。誘拐事件を題材にしたサスペンス映画の大傑作です。

『他人の顔』(1966)

安部公房と勅使河原宏監督のコンビでは、『砂の女』(1964) が最も有名ですが、この映画も中々の佳作です。仲代達矢と武満徹の音楽は相性も良いです。私見ですが、この映画で顔中に包帯を巻き、帽子とコートを着込んだ仲代の扮装は、サム・ライミの『ダークマン』(1990) のヒントになったのではないかと睨んでいます。

『殺人狂時代』(1967)

今やすっかり有名になった岡本喜八のカルト・ムービー。とぼけたコメディアンとクールな二枚目の両面を演じこなす仲代が楽しめる二度お得な怪作です。今はなき高松東宝会館の閉館前のオールナイト上映 (2004年) で見たのも懐かしい思い出です。

『影武者』(1980)

黒澤明と揉めて降板した勝新太郎の代役ということで「勝だったら…」という声が今も絶えませんが、仲代は武田信玄とその影武者の二役を非常に好演していたと思います。因みに、高野山成慶院蔵の長谷川等伯による有名な肖像画を基に黒澤が絵コンテを描いたのは明らかですが、等伯筆の肖像画は実は別人で、より信憑性が高い高野山持明院蔵の肖像画に描かれた武田晴信は痩身で細面です。偶然とは言え、仲代が演じたことにより図らずも史実の信玄に似る結果になりました。

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1980年4月26日は、黒澤明の映画『影武者』が公開された日です。勝新太郎の降板ばかり話題になりますが、晩年の黒澤が撮った悲壮な戦国絵巻は『乱』と並ぶ壮大な名作だと思います。

『乱』(1985)

黒澤明が自ら「ライフワーク」と呼んだ壮大な戦国絵巻。狂気に落ちる老将に扮した仲代は、本場のリア王に勝るとも劣らぬ堂々たる名演でした。長年シェイクスピアを舞台で演じてきた演技力と映画での長いキャリアの、ある意味、集大成とも言えると思います。

 

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仲代達矢の語り

後記の「仲代達矢 出演映画」を見ると、仲代はナレーションも多くこなしているのが分かります。

個人的に特に印象的だった仲代のナレーションは、『肉弾』(1968) です。岡本喜八の代表作であり、反戦映画の名作でもあります。『切腹』の低音の声もすこぶる魅力的な仲代ですが、『肉弾』の「モヤ」っぽい惚けたナレーションも風刺的な物語に見事に合っていました。

『哀しみのベラドンナ』(1973)、『かぐや姫の物語』(2013) などのアニメ映画の吹き替えもありますが、近年はドキュメンタリーや社会派作品のナレーションが多い感じです。

名張毒ぶどう酒事件の奥西勝死刑囚の冤罪を題材にした『毒とひまわり 名張毒ぶどう酒事件の半世紀』(2012)、『ふたりの死刑囚』(2015)、『眠る村』(2018) のナレーションを務めた仲代は、『約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~』(2013) では年老いた奥西勝を演じました。

他にも、東日本大震災の地震、津波、原発事故の三重苦を強いられた人々の苦境を題材にしたドキュメンタリー『フクシマ2011~被曝に晒された人々の記録』(2012) や、1972年の沖縄返還でアメリカと激しい外交交渉をした外交官 千葉一夫を描いた『返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す』(2018) の語りも担当していることから、社会の不条理に対する憤りが仲代の中で今も燃え続けているように見えます。

 

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仲代達矢と私

現時点で私が仲代達矢を直に目にしたのは2回のみです。そのときの思い出と、もう一つの意外な接点を綴ってみます。

無名塾『ロミオとジュリエット』

2014年4月13日(日)、サンケイホールブリーゼ(大阪・西梅田)にて、無名塾の『ロミオとジュリエット』を、妻と一緒に観劇しました。

無名塾 『ロミオとジュリエット』 サンケイホールブリーゼ 2014年

映画と演劇を車輪の両輪のように活躍の場としている仲代ですが、私が彼と無名塾の公演を鑑賞できたのは、この『ロミオとジュリエット』と、NHK Eテレで放送された2000年の『セールスマンの死』のみです。

『ロミオとジュリエット』の内容は知っていましたが、フランコ・ゼフィレッリ監督による1968年の映画を公演前夜にDVDで予習してから大阪に向かいました。

仲代達矢は当時既に81歳でしたが、長台詞も何のその、軽やかな身のこなしに目を見張りました。長年憧れていた仲代の演技を直に見ることが出来て感激!と、思わずミーハーな気持ちになりました(笑)

無名塾の他の俳優達も脇に至るまで好演していたと思います。途中、階段から足を滑らしそうになった相手に対して「お、おい、大丈夫か」とさり気ないアドリブもありました(笑)

やはり舞台で俳優達の演技を直に鑑賞するのは臨場感があると思いました。

シネ・ヌーヴォ「小林正樹映画祭」

2017年7月12日(水)、「小林正樹映画祭」を開催していたシネ・ヌーヴォ (大阪・九条) へ、小林正樹の『日本の青春』(1968) を観に行きました。

シネ・ヌーヴォ 「生誕101年 小林正樹 映画祭」 仲代達矢 来場!

7月11日(火)と12日(水) には、『人間の條件』の上映に合わせて、仲代達矢がシネ・ヌーヴォに緊急来場して舞台挨拶もして下さりました。

12日(水)の『人間の條件・完結篇』の上映後に、劇場のロビーで待つ私達も仲代の舞台挨拶を聴く僥倖に恵まれました。

仲代の姿を目にするのは、2014年の無名塾『ロミオとジュリエット』の公演以来です。このときの仲代は84歳でしたが、まだまだ矍鑠としていて改めて驚かされました。

『人間の條件・完結篇』のラストの撮影のため、6日間もの徹夜・絶食を小林に命じられたことや、凍死寸前までいったことなど過酷な撮影の裏話が聞けました。(仲代は、キャメラの宮島義勇を「みやじま・ぎゆう」と発音していました)

又、自身の戦争体験にも話は及び、戦後70年以上経った今も世界で戦争が絶えないことや日本の右傾化に対する懸念も仲代は抱いていました。

仲代達矢「このところ、時計の針が逆回りしているようだ。いつの世も、戦争をおっぱじめる時に言うのは同じ、「抑止」である。積極的平和主義と最近は言うらしいが、同じことだ。近隣諸国の脅威を煽り、自国だけが美しいと説き、その美しい国を守るために憲法を改正し、国の秘密を保護し、社会保証をカットする。軍靴の音が聞こえてくるようだ」 ― 『未完。

更に、当時公開中だった映画『海辺のリア』(2017) や、能登演劇堂にて公演が予定されていた『肝っ玉おっ母と子供たち』に込めた反戦の思いも熱く語っていました。

帰りの新幹線の時間が迫っていたので、仲代は、満員の観客からの拍手を浴びながら退場。タクシーに乗って去るのを観客とスタッフの皆で見送りました。

伝説の名優を再び近くで見ることが出来て感無量でした。

「小林正樹映画祭」を開催中のシネ・ヌーヴォのロビーでは、小林正樹の映画のポスターやスチルが多数展示されていました。

シネ・ヌーヴォ 「小林正樹 映画祭」 仲代達矢主演『人間の條件』のスチル写真

意外な接点

舞台、映画、テレビでしか見ることの出来ない遠い存在と思っていた仲代達矢ですが、意外なところで身近な接点がありました。

数年前、高松市内のギャラリーで私が個展を開催したときのことです。来廊してくださった義姉の両親と話していた際、どういう話の流れか仲代達矢が話題に上りました。すると、二人が市内で経営していた薬局に仲代が訪問したことがあると聞かされ、飛び上がりそうなほど吃驚しました。

その薬局の創業者(義姉の祖父)が1986年に自費出版した自叙伝によると、ことの流れは次の通りです。1968年夏、ポポンS販売高四国一の記録を樹立した薬局は、シオノギ製薬(株)より感謝状と賞金10万円を受け、「当時の若手俳優」仲代達矢の表敬訪問を受けたそうです。

自叙伝に掲載された写真を見ると、紛れもなく仲代でした。

1968年、香川県高松市の薬局を表敬訪問した仲代達矢

※ 無名塾と薬局創業者の御遺族から写真転載の許可を頂きました。写真右のテキストの「仲代達也」は誤植で、正しくは「仲代達矢」です。

彼がポポンSのイメージキャラクターだったことも義姉の両親から聞いて初めて知りました。イタリア映画『野獣暁に死す』の撮影を終えた後だと思いますが、多忙な中、まだ瀬戸大橋が無かった頃の香川県にまでわざわざ足を運んだということは、北海道や九州でのポポンS販売記録を立てた薬局も訪問したのでしょうか。

1968年の仲代達矢は、30代半ばで、小林正樹や黒澤明の映画に何度も出演して既に著名な俳優となっていましたが、1920年 (大正9年) 生まれの創業者から見れば「若手」だったのかもしれません。

1940年に徴兵適齢期を迎えた創業者は、徴兵されたものの関東軍の陸軍衛生兵となり、満州で5年を過ごしました。しかも、要領良く立ち回ることで1945年には内地に帰還することに成功し、衛生兵として学んだ医療知識を基に薬局を開業しました。

同じ満州での日本兵とは言え、「軍隊は要領を本分とすべし」とする創業者は、仲代達矢が演じた梶とはキャラがかなり異なりますが、内心では軍国主義に反発していました。今では故人となった創業者が『人間の條件』の原作や映画をどう思っていたのか気になります。

まとめ

これまでに仲代達矢が出演した映画を振り返ると、その役の多彩さに改めて目を見張ります。

重厚な役から飄々とした役、正義感溢れる善人から傲岸不遜な悪人まで同一人物とは思えない役柄の幅広さも驚異的です。

『乱』の一文字秀虎の年齢 (70歳) や、三船敏郎の享年 (77歳) どころか、小林正樹の享年 (80歳) や、黒澤明の享年 (88歳) さえ越えて今もなお現役の俳優でいることも更に驚異的です。

コロナ禍で演劇が制限される中でも仲代は鍛錬を続けて、今年は役者生活70周年記念作品『左の腕』の能登公演も無事果たしました。卆寿を迎える来年には同作品の東京公演も予定されています。

仲代が演じる『左の腕』の主人公は侠客としての過去を隠す飴細工売りです。原作者 松本清張のファンであると同時に、現代が「不寛容の時代」だからこそこの作品を上演する意義があると仲代は語ります。「不寛容だから戦争が起きる。人間は平和の中で生きなければいけない」と反戦を訴え続ける仲代の願いにも、私達は真摯に向き合わなければならないと思います。

常に前に向かって進み続ける名優 仲代達矢の更なる活躍を応援しています。

(敬称略)

 

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仲代達矢 出演作品

演劇

公演年 題名 作者 演出
1954 赤いランプ 眞船豊 千田是也
1954 若人よ蘇れ 三島由紀夫 千田是也
1955 女村長アンナ フリードリヒ・ヴォルフ 千田是也
1955 馬どろぼう バーナード・ショー 木村鈴吉
1955 三ちゃんと梨枝 田中千禾夫 島田安行
1955 森は生きている マルシャーク 青山杉作
1955 どれい狩り 安部公房 千田是也
1955 町人貴族 モリエール 田中千禾夫
1955-56 幽霊 イプセン 大木靖
1956 死せる魂 ゴーゴリ 土方与志
1956 田中澄江 阿部広次
1956 死水を下からとった話 田中千禾夫 島田安行
1957 タルチュフ モリエール 田中千禾夫
1957 りこうなお嫁さん 千田是也 岩村久雄
1958 令嬢ジュリー ストリンドベリ 大木靖
1959 愛と死の戯れ ロマン・ロラン 田中千禾夫
1961 黄色い波 小山祐士 千田是也
1962
一度に二人の主人を持つと ゴルドーニ 小沢栄太郎
1963 ものみな歌で終わる 花田清輝 千田是也
1964-65 ハムレット シェイクスピア 千田是也
1964 東海道四谷怪談 鶴屋南北 小沢栄太郎
1966 アンナ・カレーニナ トルストイ 千田是也
1967 どれい狩り 安部公房 千田是也
1968 紅塵 ショーン・オケーシー 阿部広次
1968 東海道四谷怪談 鶴屋南北 小沢栄太郎
1970 オセロ シェイクスピア 千田是也
1973 愛の眼鏡は色ガラス 安部公房 安部公房
1974 リチャード三世 シェイクスピア 増見利清
1974 友達 (改訂版) 安部公房 安部公房
1975-76 どん底 ゴーリキー 増見利清
1975 令嬢ジュリー ストリンドベリ 隆巴・関谷幸雄
1977 ジュリアス・シーザー シェイクスピア 増身利清
1978 オイディプス王 ソポクレス 隆巴
1980 ソルネス イプセン 隆巴
1981 毒の華 マンドラゴラ マキャヴェッリ 隆巴
1982 マクベス シェイクスピア 隆巴
1985 どん底 ゴーリキー 隆巴
1986 プァー・マーダラー 哀しき殺人者 パヴェル・コホウト 隆巴
1987 ルパン 隆巴 隆巴
1988 肝っ玉おっ母と子供たち ブレヒト 隆巴
1990 シラノ・ド・ベルジュラック エドモン・ロスタン 隆巴
1991 令嬢ジュリー ストリンドベリ 隆巴
1993 リチャード三世 シェイクスピア 隆巴
1995 ソルネス イプセン 隆巴
1996 リチャード三世 シェイクスピア 隆巴・林清人
1997 いのちぼうにふろう物語 山本周五郎 (隆巴) 林清人
1998 愛は謎の変奏曲 E・E・シュミット 宮田慶子
1999 どん底 ゴーリキー 林清人
2000 セールスマンの死 アーサー・ミラー 林清人
2001 ウィンザーの陽気な女房たち シェイクスピア 林清人
2002 セールスマンの死 アーサー・ミラー 林清人
2003 森は生きている サムイル・マルシャーク 仲代達矢
2004 いのちぼうにふろう物語 山本周五郎 (隆巴) 林清人
2005-09 ドライビング・ミス・デイジー アルフレッド・ウーリー 丹野郁弓
2008 ドン・キホーテ セルバンテス 丹野郁弓
2009 マクベス シェイクスピア 林清人
2010 ジョン・ガブリエルと呼ばれた男 イプセン 栗山民也
2011 炎の人 三好十郎 鵜山仁
2012 ホブソンズ・チョイス ハロルド・ブリッグハウス 丹野郁弓
2013 授業 ウージェーヌ・イヨネスコ 林清人
2013-14 ロミオとジュリエット シェイクスピア 高瀬久男
2014-15 バリモア ウィリアム・ルース 丹野郁弓
2015 死の舞踏 (朗読劇) ストリンドベリ 小林政広
2015-16 おれたちは天使じゃない アルベール・ユッソン 丹野郁弓
2017-18 肝っ玉おっ母と子供たち ブレヒト 隆巴
2019-20 ぺてん師 タルチュフ モリエール 髙橋和男
2020 人間失格 (朗読劇) 太宰治 岡山矢
2022 左の腕 松本清張 仲代達矢、岡山矢
2022 いのちぼうにふろう物語 山本周五郎 (隆巴) 林清人
2023 バリモア ウィリアム・ルース 丹野郁弓

映画

※は、私が観た作品です。

公開年 題名 監督 役名
1954 七人の侍  黒澤明 通りすがりの浪人
(ノンクレジット)
1954 かくて自由の鐘は鳴る 熊谷久虎
1955 市川馬五郎一座顛末記 浮草日記 山本薩夫 組合の青年
1956 火の鳥 井上梅次 長沼敬一
1956 裸足の青春 谷口千吉 和田雄次
1956 サザエさん 青柳信雄 ノリスケ
1956 おしどりの間 木村恵吾 安藤
1957 大番 千葉泰樹 新どん
1957 あらくれ 成瀬巳喜男 木村
1957 ひかげの娘 松林宗恵 本橋
1957 続大番 風雲篇 千葉泰樹 新どん
1957 危険な英雄 鈴木英夫 今村記者
1957 肌色の月 杉江敏男 滝二郎
1957 黒い河  小林正樹 人斬りジョー
1957 続大番 怒涛篇 千葉泰樹 新どん
1957 サザエさんの青春 青柳信雄 ノリスケ
1958 乾杯!見合結婚 瑞穂春海 笹田国彦
1958 母三人 久松静児 河上健作
1958 夜の波紋 内川清一郎 真崎
1958 結婚のすべて 岡本喜八 中山明
1958 ぶっつけ本番 佐伯幸三
1958 大番 完結篇 千葉泰樹 新どん
1958 風流温泉日記 松林宗恵 島田和夫
1958 炎上  市川崑 戸刈
1958 裸の太陽 家城巳代治 新どん
1959 人間の條件
第一部 純愛篇・第二部 激怒篇 
小林正樹
1959 野獣死すべし  須川栄三 伊達邦彦
1959 鍵  市川崑 木村
1959 銀座のお姐ちゃん 杉江敏男 田村京助
1959 暗夜行路 豊田四郎
1959 人間の條件
第三部 望郷篇・第四部 戦雲篇 
小林正樹
1960 女が階段を上る時  成瀬巳喜男 小松謙一
1960 娘・妻・母 成瀬巳喜男 黒木信吾
1960 青い野獣 堀川弘通 黒木康彦
1960 みな殺しの歌より 拳銃よさらば! 須川栄三 坪田
1961 人間の條件 完結篇
第五部 死の脱出・第六部 曠野の彷徨 
小林正樹
1961 用心棒  黒澤明 卯之助
1961 妻として女として  成瀬巳喜男
1961 雲がちぎれる時 五所平之助 ジェームス・キムラ
1961 永遠の人  木下惠介 小清水平兵衛
1962 椿三十郎  黒澤明 室戸半兵衛
1962 からみ合い  小林正樹 古川菊夫
1962 お吟さま 田中絹代 高山右近
1962 切腹  小林正樹 津雲半四郎
1962 乳房を抱く娘たち 山本薩夫 賢一
1963 憂愁平野 豊田四郎 巽魚次郎
1963 天国と地獄  黒澤明 戸倉警部
1963 白と黒 堀川弘通 浜野一郎
1963 五十万人の遺産  三船敏郎 群司満
1963 みれん 千葉泰樹  木下涼太
1963 女の歴史 成瀬巳喜男 秋本隆
1964 ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗 佐伯幸三 優勝祝賀パーティーの客
1964 蟻地獄作戦 坪島孝 一色中尉
1965 怪談  小林正樹 巳之吉
1965 最後の審判 堀川弘通  金井次郎
1965 股旅 三人やくざ 沢島忠 初雁の千太郎
1965 四谷怪談  豊田四郎 民谷伊右衛門
1965 血と砂  岡本喜八 佐久間大尉
1966 五匹の紳士 五社英雄  笈田
1966 大菩薩峠  岡本喜八 机竜之助
1966 他人の顔  勅使河原宏
1966 沈丁花 千葉泰樹 金平教授
1967 殺人狂時代  岡本喜八 桔梗信治
1967 佐々木小次郎 稲垣浩  宮本武蔵
1967 ゴメスの名はゴメス 流砂 高橋治 坂本修
1967 上意討ち 拝領妻始末  小林正樹 浅野帯刀
1967 旅路 村山新治 室伏雄一郎
1967 日本のいちばん長い日  岡本喜八 ナレーション
1968 斬る  岡本喜八 源太
1968 連合艦隊司令長官 山本五十六  丸山誠治 ナレーション
1968 肉弾  岡本喜八 ナレーション
1968 野獣暁に死す トニーノ・チェルヴィ James Elfego
1969 御用金 五社英雄 脇坂孫兵衛
1969 若者はゆく 続若者たち 森川時久 ナレーション
1969 栄光への5000キロ 蔵原惟繕 竹内正臣
1969 日本海大海戦  丸山誠治 明石元二郎
1969 人斬り 五社英雄  武市半平太
1969 地獄変  豊田四郎 絵師良秀
1969 天狗党 山本薩夫  仙太郎
1970 蝦夷館の決闘 古沢憲吾 本庄大膳亮
1970 幕末 伊藤大輔 中岡慎太郎
1970 無頼漢 篠田正浩 片岡直次郎
1970 座頭市あばれ火祭 三隈研次 浪人
1970 商魂一代 天下の暴れん坊 丸山誠治 吉田東洋
1971 暁の挑戦 舛田利雄 塚越
1971 激動の昭和史 沖縄決戦 岡本喜八 八原博通
1971 いのち・ぼうにふろう  小林正樹 定七
1971 出所祝い 五社英雄 岩橋清治
1973 王将 堀川弘通 関根八段
1973 哀しみのベラドンナ 山本暎一 悪魔 (声)
1973 人間革命  舛田利雄 日蓮
1973 朝やけの詩 熊井啓 作蔵
1974 華麗なる一族 山本薩夫 万俵鉄平・万俵敬介
1975 青春の門 浦山桐郎 伊吹重蔵
1975 吶喊  岡本喜八 土方歳三
1975 吾輩は猫である 市川崑 珍野苦沙弥
1975 金環蝕 山本薩夫 星野康雄
1976 挽歌 河崎義祐 桂木節雄
1976 続人間革命 舛田利雄 日蓮
1976 不毛地帯 山本薩夫 壱岐正
1977 姿三四郎 岡本喜八  矢野正五郎
1978 女王蜂 市川崑 大道寺銀造
1978 雲霧仁左衛門  五社英雄 雲霧仁左衛門
1978 火の鳥  市川崑 ニニギ
1978 ブルークリスマス 岡本喜八 南一矢
1979 闇の狩人 五社英雄 清右衛門
1980 二百三高地 舛田利雄 乃木希典
1980 影武者  黒澤明 武田信玄・影武者
1981 日本の熱い日々 謀殺・下山事件 熊井啓 矢代
1982 鬼龍院花子の生涯 五社英雄 鬼龍院政五郎
1982 遠野物語 村野鐡太郎 乙蔵
1983 日本海大海戦 海ゆかば 舛田利雄 ナレーション
1983 宇宙戦艦ヤマト 完結編 勝間田具治、西崎義展 ナレーション
1984 北の螢 五社英雄 月潟剛史
1985 乱  黒澤明 一文字秀虎
1985 食卓のない家  小林正樹 鬼童子信之
1986 熱海殺人事件  高橋和男 二階堂伝兵衛
1986 蔵原惟繕 田島精治
1987 ハチ公物語  神山征二郎 上野秀次郎
1987 トリナクリア PORSCHE 959 村野鐡太郎 マサシ
1988 優駿 ORACION  杉田成道 和具平八郎
1988 アナザーウェイ D機関情報 山下耕作  島村
1989 226 五社英雄 杉山元
1989 戦場にかける橋2/クワイ河からの生還  アンドリュー・V・
マクラグレン 
原田少佐
1991 フィレンツェの風に抱かれて 和泉聖治 坂崎
1991 陽炎 五社英雄  村井常次郎
1992 豪姫 勅使河原宏 古田織部
1992 遠き落日 神山征二郎 小林栄
1992 妖獣都市 香港魔界篇  マック・タイ・キット 元大宗
1993 子連れ狼 その小さき手に 井上昭 柳生烈堂
1993 月光の夏 神山征二郎 風間森介
1994 第2回欽ちゃんのシネマジャック ~蛍の光~ 萩本欽一 あやしげな客
1995 EAST MEETS WEST 岡本喜八 勝麟太郎
1996 宮澤賢治 その愛 神山征二郎 宮澤静次郎
1999 金融腐蝕列島〔呪縛〕  原田眞人 佐々木英明
2000 雨あがる  小泉堯史 辻月丹
2002 助太刀屋助六  岡本喜八 片倉梅太郎
2002 白い犬とワルツを 月野木隆 中本英助
2002 陽はまた昇る 佐々部清 松下幸之助
2003 阿修羅のごとく 森田芳光  竹沢恒太郎
2005 男たちの大和/YAMATO  佐藤純彌 神尾克己
2006 犬神家の一族 市川崑  犬神佐兵衛
2009 引き出しの中のラブレター 三城真一  速見恭三
2010 春との旅  小林政広 中井忠男
2010 座頭市 THE LAST 坂本順治  天道
2012 フクシマ2011 被曝に晒された人々の記録 稲塚秀孝 語り
2012 毒とひまわり 名張毒ぶどう酒事件の半世紀 齊藤潤一  語り
2012 ツナグ  平川雄一朗 秋山定之
2013 約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~ 齊藤潤一 奥西勝
2013 日本の悲劇 小林政広 村井不二男
2013 書くことの重さ 作家 佐藤泰志 稲塚秀孝 語り
2013 人類資金 坂本順治 笹倉暢彦
2013 かぐや姫の物語  高畑勲 炭焼きの老人 (声)
2014 ジョバンニの島 西久保瑞穂 瀬能純平 (声)
2015 仲代達矢「役者」を生きる  稲塚秀孝 本人
2015 ゆずり葉の頃 中みね子 宮謙一郎
2015 NORIN TEN~稲塚権次郎物語 稲塚秀孝 稲塚権次郎
2015 果し合い 杉田成道 庄司佐之助
2016 ふたりの死刑囚 鎌田麗香 ナレーション
2017 海辺のリア  小林政広 桑畑兆吉
2018 返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す 柳川強 語り
2018 ああ栄光は君に輝く 稲塚秀孝 語り
2018 眠る村 齊藤潤一、鎌田麗香 ナレーション
2019 ある町の高い煙突 松村克弥 関根兵馬
2020 帰郷 杉田成道 宇之吉
2022 峠 最後のサムライ 小泉堯史 牧野雪堂

 

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参考資料

書籍

Joan Mellen, Voices from the Japanese Cinema, Liveright, 1975

『影武者』 東宝株式会社事業部、1980年

『役者 MEMO 1955-1980』 仲代達矢、講談社、1980年

『乱』 東宝 出版・商品販促室、1985年

巨匠のメチエ 黒澤明とスタッフたち』 西村雄一郎、フィルムアート社、1987年

『全集 黒澤明 第五巻』 黒澤明、岩波書店、1988年

『全集 黒澤明 第六巻』 黒澤明、岩波書店、1988年

『黒澤明 集成』 キネマ旬報社、1989年

『キネマ旬報』 1996年12月下旬号、キネマ旬報社

『キネマ旬報復刻シリーズ 黒澤明コレクション』 キネマ旬報社、1997年

『黒澤明 夢のあしあと』 黒澤明研究会 編、共同通信社、1999年

武満徹著作集 3』 武満徹、新潮社、2000年

『広瀬飛一写真集 人間・仲代達矢』 広瀬飛一、無名塾、2002年

大系 黒澤明 第2巻』 黒澤明 著、浜野保樹 編、講談社、2009年

大系 黒澤明 第3巻』黒澤明 著、浜野保樹 編、講談社、2010年

未完。』 仲代達矢、KADOKAWA、2014年

『もう一度 天気待ち 監督・黒澤明とともに』 野上照代、草思社、2014年

黒澤明と三船敏郎』 ステュアート・ガルブレイス4世、櫻井英里子 訳、亜紀書房、2015年

サムライ 評伝 三船敏郎』 松田美智子、文藝春秋、2015年

『遺言 未来の日本へ』 日野なおみ、大竹剛 編、日経BP社、2015年

『生誕100年 映画監督・小林正樹』 庭山貴裕、小池智子 編、公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館、2016年

映画監督 小林正樹』 小笠原清、梶山弘子 編、岩波書店、2016年

仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版』 春日太一、文藝春秋、2017年

DVD・Blu-ray

DVD 『黒澤明 創造の軌跡 黒澤明 “THE MASTERWORKS” 補完映像集』 東宝株式会社、2003年

Blu-ray 『切腹』 松竹株式会社、2004年

Blu-ray, Kagemusha, The Criterion Collection, 2009

Blu-ray, Yojimbo, The Criterion Collection, 2010

Blu-ray, Sanjuro. The Criterion Collection, 2010.

Blu-ray, High and Low. The Criterion Collection, 2011.

Blu-ray, Harakiri. The Criterion Collection, 2011.

Blu-ray, Kwaidan. The Criterion Collection, 2015.

DVD 『いのち・ぼうにふろう』 東宝株式会社、2016年

Blu-ray 『乱 4Kデジタル復元版 Blu-ray BOX』 KADOKAWA、2016年

Blu-ray, The Human Condition. The Criterion Collection, 2021.

外部リンク

無名塾 公式サイト

映画『雨あがる』公式サイト

映画『約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~』公式サイト

映画『かぐや姫の物語』公式サイト

映画『ジョバンニの島』公式サイト

映画『乱 4Kデジタル修復版』公式サイト

映画『ゆずり葉の頃』公式サイト

映画『NORIN TEN~稲塚権次郎物語』公式サイト

映画『ふたりの死刑囚』公式サイト

映画『ああ栄光は君に輝く』公式サイト

映画『眠る村』公式サイト

映画『ある町の高い煙突』公式サイト

映画『帰郷』公式サイト

仲代達矢、役者70周年の舞台「左の腕」に精彩」(日本経済新聞 2021年11月25日)

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